FEBRUARY
PICK UP ARTIST
Drake
J.Cole
KENDRICK LAMAR
Monthly Rap Legacy
それは、ヒップホップの歴史を紡ぐ
アーティストの人生に迫る、
特別なコンテンツ。
毎月3人のラッパーを取り上げ、
彼ら、彼女らの音楽性のルーツや、
生きてきた環境、
歩んできた道のりを掘り下げて紹介。
リリックに込められたメッセージや、彼らを突き動かしたカルチャーの
背景に光を当てることで、
単なる音楽紹介にとどまらず、
HIPHOPの魂を次の世代へと
継承していく。
時代を超えて語り継がれるべき
ストーリーが、ここにある。
Drake(本名:Aubrey Drake Graham)は1986年10月24日にカナダ・トロントで生まれたラッパー兼シンガーである。
2009年にミックステープ『So Far Gone』でデビューし、注目を集めた。
彼の楽曲はR&B、ヒップホップ、ポップを融合し、Billboard Hot 100に数百曲がランクインする記録を達成。
代表作「One Dance」「God’s Plan」などでストリーミング市場を牽引し、多くのリスナーを魅了している。
また、音楽を超えた活動として、ブランド「OVO」(October’s Very Own)の立ち上げやトロント・ラプターズのアンバサダー活動も行い、文化的影響力を拡大し続けている。
Drake LIFE Information
History
Drakeの母親サンドラ・グラハム(Sandra Graham)はユダヤ系カナダ人の教育者で、
父親デニス・グラハム(Dennis Graham)は
テネシー州メンフィス出身のドラマーとして
Jerry Lee Lewisらと共演した経験を持っていた。
両親は彼が5歳のときに離婚し、母とトロントの
フォレストヒル地区で暮らした。
この地区は裕福なエリアとして知られるが、家賃の支払いにも苦労するほど経済的に厳しかった。
student days
ドレイクは、15歳でドラマ「Degrassi: The Next Generation」に出演し、車椅子のバスケットボール選手ジミー・ブルックス役で注目を集めた。
ドラマ出演による収入は、母親との生活を支える上で重要なものであった。
俳優として成功した後も音楽への情熱を失わず、ヒップホップやR&Bのスタイルを追求し続けました。恵まれない環境で育ちながらも、多様な音楽に触れる機会に恵まれたことが、世界的な音楽スターへと成長する下地になったと言えるだろう。
J. Cole(本名:Jermaine Lamarr Cole)は1985年1月28日にドイツ・フランクフルトで生まれ、アメリカ・ノースカロライナ州フェイエットビルで育った。
2011年にデビューアルバム
『Cole World: The Sideline Story』を発表し、注目を集めた。
彼の音楽は自己探求と成長をテーマにしており、「誠実さ」や「内省」が色濃く反映されている。
プロジェクト『Inevitable』では、
過去を振り返りながら深い自己理解を求めた。さらに、2024年10月には新曲『Port Antonio』をリリースし、業界内の複雑な人間関係に触れた。
今後も社会的な問題に注目しつつ、
音楽業界をリードし続けることが期待されている。
J.cole LIFE Information
musicality
J. Coleの音楽は「自己探求」と「成長」を軸に、
リスナーの共感を深める作品を生み出してきた。『2014 Forest Hills Drive』では、幼少期の経験を振り返り、物質的成功ではなく精神的豊かさの重要性を説いた。「Love Yourz」では、身近な幸福を大切にするメッセージを伝えた。
また、「Middle Child」では業界内の競争や虚構に触れ、誠実さを追求する姿勢を表現している。
さらに、『KOD』や『4 Your Eyez Only』では、社会問題への洞察を深め、リスナーに自己理解や社会の現実について考えるきっかけを与えた。
具体的な歌詞やテーマを掘り下げたことで、J. Coleの音楽は共感だけでなく、自己反省や社会的意識の向上を促している。
project
J. Coleのプロジェクト『Inevitable』は、
彼の人生と内面的な成長を深く掘り下げた作品となっている。
タイトルには「避けられない変化」を象徴する意味が込められ、過去の葛藤や人間関係の複雑さを振り返りながら、自己理解と成熟を追求した。
楽曲には誠実さや内省が色濃く反映され、個人的なメッセージがリスナーに共感を呼んだ。
また、社会的問題への視点も交えたことで、
J. Coleの人生哲学を表現しつつ、彼が音楽を通じて進化を続ける姿を印象付けた。
Kendrick Lamar(本名:Kendrick Lamar Duckworth)は1987年6月17日に
カリフォルニア州コンプトンで生まれ、 2011年にアルバム『Section.80』でメジャーデビュー。
その後、『good kid, m.A.A.d city』や
『To Pimp a Butterfly』などで注目を集め、グラミー賞を含む数々の賞を受賞。2024年にはApple Musicで「Not Like Us」が最もストリーミングされたシングルとなり、2024年のグラミー賞を獲得。
ビルボードで「Squabble Up」や「Luther」(SZAとの共演)などのヒットを記録。
人種差別や精神的健康問題に関する
社会的メッセージを込めた音楽で、
商業的成功と社会的影響力を兼ね備えたアーティストとして知られている。
Kendrick Lamar LIFE Information
social influence
Kendrick Lamarの音楽は、社会的メッセージと個人的な内省が交差する独自のスタイルを持つ。
『To Pimp a Butterfly』では、黒人の歴史やアイデンティティをジャズやファンクの要素とともに表現し、「Alright」はブラック・ライブズ・マター運動のアンセムとして支持を受けた。
『DAMN.』では、自己の信念や運命を問う内容が特徴で、「DNA.」はアイデンティティの多面性を鋭く描く。
近年、彼はメンタルヘルスの問題にも言及し、『Mr. Morale & The Big Steppers』では個人のトラウマやセラピーの重要性をテーマにした。
「Mother I Sober」では、家族の歴史や世代間の痛みを告白し、リスナーに深い共感を呼び起こす。
Kendrickの楽曲は、社会問題への提言でありながら、商業的にも成功を収める稀有な存在だ。
彼の影響力は、ヒップホップの枠を超えて影響を与え続けている。
project
2024年、Kendrick Lamarの「Squabble Up」がBillboard No.1を獲得し、ヒップホップシーンで大きな注目を集めた。タイトルの「Squabble Up」は、ストリートスラングで「争う」「闘う」といった意味を持ち、楽曲では競争社会や生存闘争のリアルが描かれている。
プロダクションには硬質なドラムと緊張感のあるベースラインが使用され、Kendrickの鋭いフローデリバリーが楽曲の激しさを際立たせている。
リリックでは、「We ain't talking, we moving like soldiers」など、ストリートでの無言のルールや、暴力が不可避な環境を暗示するフレーズが印象的だ。
SNSでは、この楽曲が現在の社会情勢とリンクしているとの声も多く、特に都市部の若者層から共感を集めたKendrickはこの楽曲を通じて、闘争の現実と、それを超える可能性を問いかけているのかもしれない。